独立後初となる作品で、田舎に引退後の生活をシフトする両親の家です。
母親の趣味は染物、そしてアクティブな性格で個展に出かけては声をかけ、機会があれば自宅でも個展を開きます。
父親は、老後の生活を代々続く畑で泥まみれになりながら汗水流す。
そして、冬でも夏でも外気を取り入れ、自然のままに暮らすような省エネを地で行く両親です。
そんなキーワードから、専用のギャラリースペースを設け、用途に応じ生活空間であるリビングや、予備室的な要素を含む和室まで、ギャラリーの範囲が広がります。
また、立体的な空間構成を実現する事と、老後の暮らしを考慮する為に、スキップフロアで構成し、半地下を設け、そこにギャラリーと書斎、
半階あがるとリビング、ダイニング、キッチンと生活空間、もう半階あがると寝室、洗面所、浴室と就寝空間を構成しています。
導入した外気が間仕切りの少ない各部屋を循環し、抜けていくような建築的な仕組みを各所に設け、各空間が全体的に一体になりながら分かれていて、それぞれがなんとなく繋がる「曖昧な家」を計画しました。
リビングの全開放木製建具を開けると、前は畑、川、山並みが広がり、畑に張り出したデッキでは、湧き水で入れたコーヒーを飲みながら、父の丹精こめた畑の実りを眺めることも出来ます。
構造設計:間藤構造設計事務所
電気設備設計:AES設計
給排水衛生設備、換気設備設計:ライズ計画
施工:大同工業株式会社
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