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LiVESの家
2017年 3月14日

田園風景に囲まれた芝生の庭と畑のある
カフェ兼住居

grove(IKS)

父の植林畑の痕跡を継承。カフェ空間には樹木に見立てた柱がランダムに並び、芝生のテラス席、筑波山を見渡すロフト席や半個室も。

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外壁にレッドシダーを張った右棟がカフェ。アスファルトシングルを張った左棟が住居。真ん中の白い杉板張りの箱は厨房。行き来できるように間をつないでいる。

grove(IKS)

(茨城県つくば市)

設計
no.555一級建築士事務所
住人データ
夫(35歳)自営業、妻(39歳)カフェ経営、長男(2歳)

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樹木に見立てた柱がランダムに並ぶカフェ。いろいろな景色が楽しめる半個室やロフト席も。

三角屋根の2つの建物。ここは、奥さまの弘江さんが営むカフェ「JOURNAL」を併設した、池田さんご家族の住まいだ。周囲に田園が続く敷地は、元は弘江さんのお父さまが所有する植林畑だった。この敷地を譲り受け、住居を新築するとともに、以前は筑波大学の近くで営んでいたカフェを移転し、新装オープンすることにした。

筑波山が見える場所でカフェを開くことが夢だったんです。庭や畑もつくり、周辺の自然と合わせて、心地よい景色を見渡せる場所にしたいと思っていました(弘江さん)

設計はナンバーファイブス一級建築士事務所の土田拓也さん。

近隣に点在するビニールハウスの三角屋根の形状を取り入れました。家と店舗を分けることで、全体のボリュームを緩和し、周辺環境との親和性を高めています(土田さん)

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住居の1階はLDK。三角屋根の形状をそのまま現した吹き抜けの天井により、開放感にあふれている。2階には寝室があり、LDKを見下ろす小さな窓がある。

建物の裏にある芝生には、植林畑にあった樫を2本残し、くつろげる木陰をつくった。ここは家族のための庭であり、カフェのテラス席でもある。また、弘江さん念願の畑のスペースも十分に確保し、その奥には既存の植林をそのまま残している。

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カフェはどの席からでも景色が眺められるように窓を設置。

住居は必要最小限の空間とし、1階に吹き抜けのLDKと水まわり、2階に寝室を設けたシンプルな構成とした。LDKは天井が高く、開放感があり、窓辺のソファやオープンキッチンから庭の緑を楽しめる。

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キッチンは基礎を延長するように立ち上げ、コンクリートで造作。型枠の木目を薄く残した。

カフェは「いろいろな居心地が楽しめる席をつくりたい」という弘江さんの希望に合わせ、オープンな席のほかに箱型の半個室を設けた。筑波山が見えるロフト席もある。

カフェの内部は、ランダムに配置した木造の柱を露出させ、樹木に見立て、元の植林畑の雰囲気を抽象化して表現しました(土田さん)

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住居のLDKの窓辺から、芝生の庭、畑、周辺の田園風景を楽しむことができる。

休日にはご家族で、庭に出て食事やお茶をすることも多い。また、弘江さんは事務作業をテラス席で行うこともあるという。

風の匂いや肌触りを感じ、鳥の声を聴きながら仕事をすると、気分転換になるんです。テラス席で過ごすひとときは、いろいろな豊かさをもたらしてくれます(弘江さん)

芝生にマットを敷いて、ヨガをすることもある。カフェでは今後、畑から収穫した野菜でつくる料理教室などを開催予定だ。

今後も心地よい外部空間を活用し、人が集う場所として可能性を広げていきたいです(弘江さん)

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広い芝生の庭はカフェのテラス席でもある。ファミリーや犬を連れたお客さまにも好評。

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〈物件名〉grove(IKS)〈所在地〉茨城県つくば市〈居住者構成〉夫婦+子供1人〈用途地域〉無指定〈建物規模〉地上2階建て〈主要構造〉木造〈敷地面積〉480.65㎡〈建築面積〉172.24㎡〈床面積〉住居部分 1階 57.96㎡ 、2階 28.98 ㎡、店舗部分 1階 112.60㎡ 、2 階 26.03㎡、合計 225.57㎡〈建蔽率〉35.83%(許容60%)〈容積率〉46.93%(許容200%)〈設計〉土田拓也/ no.555 一級建築士事務所〈施工〉冨祥工務店〈構造設計〉秋元恵美/ frameworks〈設計期間〉12ヶ月〈工事期間〉10ヶ月〈竣工〉2013年


※この記事はLiVES Vol.82に掲載されたものを転載しています。

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