観光地阿蘇の中でも仙酔峡にほど近いリゾート地。その一角に建設した専用住宅。住まい手は官公庁を退職して、関西の自宅を残しつつ地元熊本にも拠点を希望されたご夫婦で、別荘的性格も持っている。
南には阿蘇で最も高い高岳を望み、400坪近い広大な敷地には40本以上の山桜が原生するという恵まれた環境。計画においてはこの桜の位置を測量することから初め、それらを極力痛めずに建物を配置することを前提として計画を進めた。結果、南側の住宅と主要室の距離をなるべく取りながら、かつ樹木の伐採を最小限に押さえるよう、敷地にたいして20度の角度を付けて配置した。また1階レベルをGLから1.4M上に持ち上げることで、建設後再び地盤面を元の植生に戻している。この地では自然そのものが主役であり、そこに建てさせてもらうという謙虚さが必要と思った。
平面構成は極力単純に1階にパブリックスペース(和室、居間、食堂、水回り)を、2階には個室2室を用意した。1、2階とも各室の外部に木製デッキが張り出し、半屋外空間として、四季折々の細やかな変化を見せる自然と、また時には荒々しい態度を見せる大きすぎる自然との向かい合うための空間となっている。
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