岐阜県の郊外に(ニュータウン)に建つ、夫婦と子供二人のための住宅である。
敷地は180㎡程でこのあたりの地域では一般的な大きさである。
この住宅地は様々な住宅が建っているが、共通して道路に面して玄関がある、フェンス又は垣根がある、車の保有台数が2~3台、といった感じでなんとなく閉鎖的な印象を受けた。
そんな印象を持ったこの地域で、この住宅がどの様な社会性を持つことができるかを考えた。
道路(地域の共有部)からの導入部に開いている庭を作りそこに1m程高い位置にコンクリートデッキのアプローチを置き、さらに少し上がって住宅の入口部分となっている。
内部は入口から1m下がるとDK、1m上がるとリビングがありさらにそこから上下すると他のスペースへとつながっていく。
各スペース間の移動は外部も含め必ず上下運動が伴い、上下する事で、少し狭い各スペースに奥行きを持たせている。また、スペース同士が狭さを補い合っている。
この住宅において、圧倒的な大きさを持つ開口とコンクリートデッキ、地域に開いた庭が、住宅/敷地/地域を緩やかにつなぎ、この地域のコミュニケーションが生まれるきっかけになればと考えた。
地域・町に対して家族だけで閉じてしまうのではなく、個の外側と集団の内側として住宅を考えることで住宅にも社会性を持たせることができるのではと考えた。
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