敷地は茨木市と高槻市に挟まれた山あいに位置し、周囲は自然豊かな山々に囲まれた静かな住宅地の一画。ダム建設により宅地や田畑が水没するために高台を造成した代替地です。
計画に当たっては眺望と採光のためにすべてがデザインされています。
北側となる道路側正面は建物の高さを極力抑え、通風窓と玄関以外の開口部は設けずストイックで閉じた印象となるようデザインしてあります。軒先をシャープに見せるため軒樋を設けていないので雨水の跳ね返りを考慮し、コンクリートの腰壁を高く設定しました。
木造軸組の上にR加工を施したH型鋼を乗せて屋根をかけ、北から南へ、低から高へ、暗から明へと緩やかに解放されていく様子を表現しています。
塀越しに建物の屋根を見上げながら少し傾斜のついた道路を歩き、敷地内に入ってアプローチでの静かで無機質な空間を抜けて玄関扉を開けると雰囲気は一変します。
和紙クロスに反射した柔らかで優しい光に迎えられ、そしてリビングに足を進めるとあふれんばかりの陽射しとすばらしい眺望が待っているというストーリーです。
居室から続く広いデッキテラスは日なたぼっこに最適で、屋根に覆われ、柱、梁に包まれた半屋外空間はほどよい安心感があります。
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