「mH:3」の建つエリアは、山林を切り開いて造成された典型的な新興住宅地で、他のそれと同様ひな壇状に形成された宅地用地に、ハウスメ-カ-然とした無個性な住宅が立ち並ぶ風景を形成しています。4人家族の為のこの住宅は、様々なレベル差を設けた断面計画により導線や視線の抜けに変化をもたらす事がクライアントから要求されました。2階建てでありながら5段階ものレベルを内包し、それぞれのスラブが螺旋階段を中心としてスパイラルに展開する空間構成となっています。結果的にクライアントからのこの要求は「mH:3」の建つ周辺環境を鏡写しにしたような様相を呈し、一見、周辺環境との関係性を断ち切ったかのような外観でありながら、無意識のうちに逆説的な建築内外の連続性を内包した建築となりました。
資料請求にあたっての注意事項