2×4工法(ツーバイフォー工法)は、耐震性や断熱性、気密性などに優れていて、北米発祥の工法ですが日本でも人気があります。
それではそんな2×4工法(ツーバイフォー工法)なら、4,000万円を使ってどんな家が建てられるでしょうか。
4,000万円の新築住宅は全国平均よりも500万円以上も高く、広さに余裕があり、間取りにもこだわった住宅が多いです。ここでは4,000万円の2×4住宅の実例について紹介します。
2×4工法(ツーバイフォー工法)のメリット・デメリット
木造住宅を希望する人の多くは、木の温かみや部屋の明るい感じが好きだという人です。そんな木造住宅で家を建てたいと思ったら、2×4工法(ツーバイフォー工法)と日本で古くから用いられてきた在来工法(軸組工法)の2つの工法があります。
両者を比較した際の2×4工法(ツーバイフォー工法)のメリットとしては、まず耐震性に優れている点があげられます。また、気密性・断熱性が優れているので、吹き抜けやリビング階段、全館空調をもうけても冷暖房の効率がよく、開放的なプランが可能な点も評価されています。
一方で、2×4工法(ツーバイフォー工法)よりも在来工法のほうが設計の自由度は高いです。また、2×4工法(ツーバイフォー工法)は「リフォームがしづらい」といわれることがありますが、リフォーム業者によっては、積極的に2×4工法(ツーバイフォー工法)のリフォームを手掛けているところもあります。
元々、2×4住宅を手掛ける建築業者は、在来工法の住宅を手掛ける建築業者よりも少ないので、業者選びは重要なポイントになります。
一般的な4,000万円の注文住宅はどんな間取りか
一般的な4,000万円の木造の注文住宅は、大手ハウスメーカーなら40~50坪程度、中堅ハウスメーカーなら50~60坪程度の家が建てられ、平均すると40坪後半程度になります。
日本でもっとも利用されている住宅ローン『フラット35』の2020年『フラット35利用者調査』によると、注文住宅の新築費用は全国平均で3,452万円(37.6坪)です。そのため、4,000万円の注文住宅は、一般的な住宅よりは広い印象を受ける方が多いでしょう。
間取りとしては、4LDKや5LDKが中心で、LDKを広めにとったり、ウォークインクローゼットなど収納に余裕を持たせたりしている住宅も多いです。また、完全二世帯住宅や3階建て住宅、狭小地や複雑な形状の土地、趣味のスペースなど、間取りにこだわった事例もあります。
4,000万円でどのような家が建てられるか
次からは実際に4,000万円で建てた住宅の実例を2つご紹介します。
一般的に、木造住宅は2階建てや平屋が多いですが、3階建ても可能です。2×4住宅自体、木の温かみが感じられる内装が多いのですが、今回ご紹介する事例はそれぞれ、壁などの内装、窓の種類やサッシ、階段手すり、造り付けの収納など、細かい部分にセンスが感じられます。
家を建てる際の参考になる点が多く、中には工事中の様子が見られる事例もあるので、ぜひチェックしてみてください。
ドライウォールと無垢材の家 (2.5階中2階の家)
こちらは東京都に建てられた5LDKの二世帯住宅で、3つの事例の中ではもっとも大きく、50坪を超えます。今回ご紹介する実例の中では唯一のいわゆる輸入住宅らしい外観と内装の住宅です。
明るい無垢のフローリングやアクセントにもなっている木製のサッシや窓、ドア枠、上げ下げ窓、造り付けの洗面所など、部屋をおしゃれに見せるポイントが各所に見られます。
中2階にすることでLDKは天井高が高い開放的な空間になっていて、全館空調も採用していますが、これも2×4工法は住宅の気密性、断熱性が高いからこそできる間取りです。
大田区北千束の家
続いては、東京都大田区に建てられた3階建て40坪程度の4LDKの住宅です。階段や和室を台形の土地に合わせた間取りで、都市型住宅には多い2階リビングを採用しています。
1階から2階への階段は階段ホールをもうけていますが、2階から3階への階段はリビング階段です。最近はリビング階段を採用している住宅も増えていますが、場合によっては寒く感じられることもあります。しかし、2×4住宅では断熱性の高さを利用し、全館空調の効率もいいので、リビング階段にしている住宅も多いです。
複数の種類の窓を部屋によって使い分け、使い勝手や見た目も工夫しているだけではなく、さまざまなところに造り付けの収納があるので、家全体がすっきりとした印象を受けます。
まとめ
4,000万円を使って建てられる2×4住宅について紹介してきました。4,000万円の注文住宅ですと、大きさも一般的な住宅より大きく、施主のこだわりやセンスが感じられる住宅に仕上がっています。ぜひ、2×4工法(ツーバイフォー工法)の気密性と断熱性を生かした、素敵な間取り作成の参考にしてください。
【参考】2020年度 フラット35利用者調査 ~住宅金融支援機構~
文:渡辺藍(一級建築士・宅建士)