森の中の老人ホームです。
森・林の中という環境を最大限感じられる場にする為、地面に近いところに、より多くの方が住む部屋をつくりたいと考え、総2階では無く、平屋と2階建ての2棟をつなげる形を提案しました。1階の住室には、専用庭をつくり、戸建てに住んでいる様な生活を送れます。
大きな中庭をつくり、光・風・自然が建物の中に入り込む、構成にしています。屋根の形に、傾斜した天井の吹抜けを持つ食堂は、それぞれのエリア毎に設けており、素材を変えることで異なる空間となり、建物の中にいても場の変化を感じられます。自然をおおらかに取り込む吹抜け空間が、リゾートホテルの様なゆったりした空気感を生み出します。木や土壁などの素材も使い、自然の肌ざわりを取り入れました。
周囲の環境に馴染む様、家の形をした切妻屋根の外観を持っています。家型の屋根は食堂吹抜けの斜めの天井になり、外観と内部空間のデザインが一体化しています。平たい屋根は、コンクリートでつくる為重くなりますが、家型の屋根をガルバリウム鋼板でつくることで、軽くなり、耐震性が上がり、コストを下げる効果も生まれました。
地方郊外の拠点駅から徒歩20分ながら、森に囲われた敷地。その森の外側には農地と住宅が混在する、街のそばでありながら自然の中に位置する恵まれた環境の、老人ホームの計画でした。当初、お客様は総2階建てで考えられていました。2LDK・1LDK・1Kなど、複数のタイプのある居室をつくりたい。森の中・自然の環境を生かし住む高齢者の方が誇りを持って、私ここに住んでいるのよと言いたくなる、高質感を持つ老人ホームを設計して欲しい。森の中の館をつくりたいとご要望がありました。
人気の老人ホームとなり、ご入居された方は、自分の家と感じている様で、庭をつなぐ遊歩道での散策や、専用庭での家庭菜園など、個人の生活も・入居さん同士の生活も楽しんでいます。
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