計画はテナントのワンフロアーを全面改修した歯科クリニックのプロジェクトです。
従来こういったテナント改修のデザインは新築に比べ多様な制限がある為、機能だけを空間に押し込み表面だけの綺麗なデザインだけで整えてしまいがちです。しかし、そこには豊かさも何もありません。
本プロジェクトでは全く違うアプローチからクリニックをデザインすることで、多様で豊かなクリニックをデザインすることを試みました。
現状存在する歯科クリニックのイメージはまだまだ冷たく重苦しいイメージが存在し、あまり「訪れたい。」
と思う場所ではありません。
今回のクリニックでは、歯科の治療だけでなく、30代~40代の子育てを行っている層や、子育てにひと段落ついた主婦層を審美歯科にとどまらずエステなどの「くつろぎ空間」を与える場となっています。
そこでワンルームのテナントの中に小さな町並みを再現し、内部と外部が存在する空間をつくり出すことで、お客様が「訪れたい。」 「歩いてみたい。」
と思う多様で豊かな空間(日常を忘れくつろげる空間)をつくり出すことを目指しました。
陽のあたる明るい「待合室や通路」は、「ラグジュアリーな街の中の広場や路地」のようにデザインすることでクリニックに訪れるお客様の心を和ませ、「診察室」の機能を持たせた「小さな家」は、アンティークな照明や重厚な木やタイルの質感を生かし、趣味のよいエレガントでシックな落ち着いた雰囲気でありながら訪れやすいシンプルな空間に仕上げることで診察を受けるお客様の心をワクワクさせる演出を行いました。
均一したテナントビルの冷たいイメージから、外部と内部が混在する豊かな空間をつくり出すことで、
ただ単にお客様の歯を治療するだけの場ではなく、ワンステップ上の上質なくつろぎ空間を与えることで
訪れるお客様や働くスタッフの心までも和ませ、心にゆとりと豊かさを与える場。
これこそがこれからの歯科ビューティークリニックのあり方だと私たちは思います。