この家は、東京都の体表的な住宅密集地域にあります。
敷地は3方向を隣家に囲まれていましたが東側には神社と公園の森が広がっていました。
この森と如何に向き合うかが、この家の方向性を決定すると考えました。
また、施主様ご家族は海外暮らしの期間が長く、比較的にライフスタイルがオープンであり、住空間に対して柔軟に適応するタイプだと思われました。
敷地は全面道路と600mmほど高低差がり、南側隣地は2.5mも高く、その上に2階建の住宅が建っているので、1階部分の環境は良いとは言えない状況でした。
また、施主様からの要望は多くはなく、「明るく、風通しの良い、天井の高いリビング」、そして、特に要望されたのは「広い収納スペース」と一般的なものでした。
こうした事を踏まえまして、まず、この森の景観を最大限に生かすために、ご家族が最も長い時間を過ごすLDKを2階に配置し森に対して開く構成とし、リビングには約2m片持ちのバルコニーを設けることで森と一体感が得られるようにしました。また、周囲への視線をコントロールするように開口部を配置することで十分な採光を確保するとともに、ライフスタイルを適度に露出しています。
次に要望である広い収納スペースとしてロフトを設けるにあたり、敷地の特徴である道路との高低差を取り込もうと考えました。
ロフトを中間階に配置することで、1階の一部が半地下となり2階にスキップフロアが発生しました。
このスキップフロアは、森へ向けて広がる空間に立体的なアクセントをつけるとともに、リビングとダイニングそれぞれの延長空間として使える場所になりました。さらに高い天井も獲得することができました。
こうして森の四季を楽しみながら、ご家族のライフスタイルに合った暮らしができる家になりました。
種別 新築
用途 戸建て住宅
規模 敷地面積 86㎡ 延床面積 84㎡
構造 木造
所在地 東京都世田谷区
竣工日 2014/7月
設計 Studio R1 一級建築士事務所
施工 醍醐建設株式会社
構造設計 株式会社 野村基建築構造設計
写真 45g Photography
資料請求にあたっての注意事項