夫婦と子供、母、計4人の家族のための2世帯住居です。
敷地は奈良県生駒市の丘陵地の一角に位置し、ちょうど敷地の南西側からは生駒山系を望むことの出来る見晴らしの良い静かな場所である。
クライアントからの主な要望は2つ。一つはこの眺望を最大限に生かしたいということ、そしてもう一つは、シックハウスに敏感でいらっしゃるご家族のために、極力自然素材を使用し、健康に良い住まいとすることを望まれておられました。
2階の高さからの方が眺望が良いという点、同居される母の生活上の利便性を考え、基本的に1階に母の部屋と水廻り、2階に若夫婦世帯の居住空間を配置しました。
階別に世帯を分けることでプライバシーにも配慮をした2世帯型住居となっております。
またシックハウス問題から、今回はいつも以上に合板や石油製品などの工業建材の使用は極力避け、使われる材料には可能な限り国産の杉材を使用、壁や天井などの仕上げにも健康に良く、吸湿性能の高い漆喰を採用しております。
2階のLDKには生駒山の眺望を楽しめるよう大きな開口部が設けられ、その開口部の高さはあえて低く抑えることにより横にワイドな形状とし生駒山の稜線を美しく演出することを意識しております。
またそのLDKには部屋の内部と外部をまたぐ様に広いデッキスペースが設けられております。内外の境界を仕切る木製建具は全て引き込める形状とし、全開放時にはLDKは外と緩やかにつながることで気持ちの良い半屋外空間へと変貌を遂げます。
外部のデザインは過度なものを避け、シンプルに普遍性を携えるものとしました。
また外壁には経年変化や、周辺環境へのなじみを考慮して焼杉板が採用されています。