このブライダルホールは、インテリアデザイナーと私たちとのコラボレーションにより行われた。商業施設の場合、建築の完成後にインテリアが入るということが一般的であるが、本計画は当初よりインテリアと建築が平行して、あるいはキャッチボールをするように、設計が進んで行った。普段、建築を計画する際、私たちは当たり前のように「内と外を同時に考える」が、その「内」のほうに他者が入ることで、新鮮な視点と発見に出会うことが出来た。
敷地は、長岡の市街地から少し離れた高台に位置する。周囲は、住宅と農地が点在するのどかな環境であり、また敷地内には約4.5mの高低差があった。周辺環境への配慮と、ブライダルホールという商業施設であることをふまえ、ファサードはシンボリックな印象をつくりつつ、建物全体としては、ヴォリューム感を極力おさえるために、敷地の高低差になじませた段状の外形デザインとした。敷地に対して建物を斜めに配置することで、外部に三角形状の庭を確保し、近隣へ配慮するとともに、滝や植栽帯を設けることで、バンケットから眺める景色に奥行きをだしている。
チャペルは回廊でつながる分棟配置とすることで、結婚という儀式のシンボルをつくると同時に、式から披露宴へと展開する1日のシークエンスに変化と彩りを織り込んだ。
内部には、2つのバンケットとチャペル、神殿、プールテラスなどを内包している。2つのバンケットは、建物の中で最も低いエリアと、最も高いエリアに配置した。1階のバンケットは地上の庭や滝を望む、落ち着いた雰囲気の空間に、3階のバンケットは、遠く長岡市街を一望出来る開放的な空間とし、双方が全く異なる特徴をもった空間になるよう計画した。プールテラスは、雪深い地域でもフルシーズンで開放感を得られる空間として用意した。人前式やチャペルでの挙式後のフラワーシャワーなど、多目的に利用される。
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