クライアントのご実家の敷地横での計画です。
母家との関係性を考え、中庭型ではないプランでいて、ある程度のプライバシーを保てる計画を提案させていただきました。
リビングから繋がるデッキスペースは袖壁と庇を設け、庭に向けて筒状に室内空間を延長することで、周囲の雑多な風景を気にすることなく過ごせるようにしています。
デッキスペースの先に広がる庭の木々は隣家からの目隠しにもなっており、芝生で覆った築山のやわらかい緑が住宅密集地であることを忘れさせてくれます。
外観は入り母屋の瓦屋根でモルタルの外壁であるご実家と違和感なく対峙できるよう、切妻の屋根材は素材感のあるシングル葺き、外壁は白モルタルの掻落しとしました。
内外共に、古いものと新しいものをバランスよく取り入れ、歴史深い街並み景観や記憶を引き継いでいくものになればと期待しています。