外観は、一部2階建ての、大屋根(1階屋根がそのまま2階屋根につながる屋根形状)にしたいというご要望がありました。
また、1階に和室と主寝室を配置したいということで、2階は子供部屋しかなくなるので、1階がとても大きく、2階が小さい家となり、単純に全て大屋根にすると、巨大な吹抜や屋根裏がたくさんできてしまいます。
また、1階が大きいので、採光、通風がよくないところがでてきてしまいます。
そこで、外観は、大屋根の中央棟を中心に、南東に玄関・和室の白い外壁の南棟、北東に室1の北棟、西にキッチンの西棟を、平屋で分散配置することにしました。
それによって生まれたのが、光庭です。
分散配置にすると外壁面が多くなるので、通風採光に有利です。
敷地に対する南方位が、かなり西に傾いているので、リビング南窓を南へ向けることにより、庇や外壁に角度がつき、さらに袖壁も斜めにしたので、外観に変化を与え、アクセントになっています。
袖壁は西日をさえぎったり、風をとりこむ、パッシブハウスの考え方に基づく建築的な、「しかけ」でもあります。
自然素材を多用し、天井の杉三層パネルや、梁を見せ、木がいっぱいのあたたかい雰囲気です。
吹抜に面して設け、1階と空間がつながる2階共用コーナー2は、子供たちがともに勉強したり、遊んだりするスペースです。
1階の階高(1階床から2階床までの高さ)を通常より20cmも低く抑え、階段の踊り場の段を少なくして、安全に上り下りしやすくするとともに、2階との距離感をぐっと近づけています。
子供たちの2つの個室は、全て引違戸なので、取り外せば、共用コーナー2と一体となった大空間が生まれます。
引違戸はドアと違い、互いの気配を伝える雰囲気があります。
加納年勝
加納由佳理
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