祖母・親夫婦・長男親子・次男の4世代4世帯の住居と仕事場、及び賃貸住居3戸からなる複合建築。近隣商業と第一種低層住居専用という2つの用途地域にまたがる住宅密集地に建つ。
廻りを建物に囲まれた中で、快適な住空間を実現するために、外部空間を建築内に組み込んでいった。まず、敷地を2分する用途地域に合わせて高層と低層に建物を分け、中央に「中庭」をつくった。さらに、きびしい斜線制限に従って各棟を前後にずらすことで、コーナーに大きな「テラス」を生み出した。
「中庭」の両側に祖母と親世帯、「テラス」の両側に親世帯と子世帯というように、外部空間を挟んで2家族を配置することで、適度に離れつつ、気配の感じられる関係をつくり出した。
心を解き放つ外部空間が、共に住むことから生じる問題点を解決しつつ、家族間の交流がさらに育まれる場となることを願っている。
掲載誌
「日経アーキテクチュア」2008年9月8日号
(日経BP)
http://www.ne.jp/asahi/prime/nishijima/59.html