浜名湖畔にある住宅街の一角。実家の建つ敷地内に計画した離れ家である。
敷地の形状上、道路から実家へのアプローチ上への計画となり外部からの視線への配慮として緩衝帯を設ける必要があった。しかもそれが日当たりの良い南側全面というのはネガティブ要素である。「プライバシーと日当たり」この両方を確保することは当然としてこの敷地のポジティブ要素である「浜名湖の眺望」を最大限に生かすことにより他にはない付加価値を生み出すべく2階リビングの逆転プランを提案した。小さな子供のいる住まい手には少々厳しいかとの不安もあったが中層マンション暮らしの経験者ということもあって、すんなりと受け入れられた。
基本線がまとまってしまえば、住まい手の細かな要望をいかにして満たしていくかということになるのだが、「リビングは丸太組みの天井」「浴室に天窓」「洗濯物は2階に干す」など,そもそも2階を生活の拠点とすることが最良の選択だったのではないかというくらいの結果となった。また、天気の良い日には、リビングの窓から浜名湖へ広がる視線の先に「富士山」という付録までついた。建物がこの敷地にしっくりと根を下ろした感と、住まい手がこの建物に馴染んで住みこなしてくれていることを何より嬉しく思う。
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