新たな技術を開発し、ひたすら経済成長を目指す時代は終焉し、昔ながらの知恵や技術、価値観を見直す時代へと変わりつつあります。
今回、設計に当たって考えたのは、昔ながらの作り方をきちんと見直すことでした。日差しを遮る庇や間仕切り障子戸など、昔ながらの知恵に、新たな解釈を与え、新たな表現へと繋げていきました。
流通の速度が向上し、どこでも簡単に物が手に入る昨今、建築はカタログから既製品を選び、組み合わせるだけの行為になりつつあります。その結果、日本のどこであっても同じような建物が建ち並ぶようになりました。
新潟という、その場固有の建築を表現できないだろうか。幸い新潟は金属加工や桐簞笥、瓦製作などの地場産業が盛んな地域です。地元の職人達と協同し、地元の材料と加工技術を使うことで既製品を組み合わせた家とは異なる独自の新潟らしい家が生まれると考えました。
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