小さな写真スタジオを鉄骨造で造りました。
スタジオを2階レベルに持ち上げ、ピロティは駐車スペースに。
スタジオの外壁を外側にずらし、インテリアとの間に階段の動線を設けています。
外壁との隙間の階段の上は、北側の光を受け止めます。
外壁の内側はリフレクターになって、安定した自然光をスタジオ内に届けます。
小さな写真スタジオですが、柔らかく変換された自然光が溢れる空間ができました。
『2004年』のTEXTより抜粋
フォトスタジオの増築計画である。
既存の木造建物とは独立したウエイティングルームを兼ねたスタジオを増築することになった。施主の要望は下階は駐車スペース、上階のスペースは光をうまくコントロールすることである。
そこで下階は100φのGコラムでピロティー状に、上階は16×100のフラットバーを250ピッチで格子状に組み、鳥かごを4本の脚で持上げたような構成とした。
鉛直方向の竪格子には、黒(外)と白(内)のセラミック塗料で塗りわけた30×230のダグラスファーを縦に取付け、電動で1面づつ光をコントロールする可動ルーバーとしている。つまり1面20枚、4面のルーバーは季節と時間帯で角度を調整し、内側に反射した柔らかい間接光をスタジオ内部へコントロールするのである。ルーバーは閉じている時、内部からは白い箱として、外部からは黒い箱が宙に浮いているように見える。そして開放に従って、内部からも外部からもその存在を建築の構造と共に消そうとするのである。
①光
外からは見えないのに、外壁の内側が光のリフレクターになって中には光が溢れています。
②照明
カメラマンのアトリエだけにどこから撮影しても影が落ちません。
③階段
エキスパンドメタルで、繊細で軽快な階段ができました。
照明を六角形で組むと、中心で物撮りすると影が落ちないと聞いて計画したら、本当に影が落ちなかった。いつもクライアントから新しいことを教えてもらいます。
意見を出してください。
それが新しい建築につながります。
ひまわり
太陽の位置が変わっても、常に光を内側にコントロールします。
出原健一
藍澤和孝
かい構造設計事務所 寺門規男
黒木写真スタジオ
藤生工務店