敷地は、新潟市内の住宅地です。
南側の道路に接道しているので、南に開放すると道路から家の中が丸見えになってしまいます。
そこで、リビングを中心にダイニングキッチンと浴室などの水周りを繋げました。ロの字型で囲うと雪の搬出が出来なくなってしまうので、コの字型のプランで中庭を確保しました。
3つのスペースはプライバシーが守られた中庭に開き、どのスペースにいても家族の気配を間接的に感じ取れます。
リビングの上に個室を載せ大きな軒下空間をつくり、道路との間に駐車スペースと玄関アプローチが出来ました。
結果、街には濃茶のガルバリウム鋼板による鍵型の個性あふれる彫りの深い彫刻的なファサードが現れました。
設計担当:納谷学、相田宗徳
構造設計:かい構造設計 寺門規男
施工会社:
構造形式:木造2階建て 在来工法
延床面積:117.20m²(35.44坪)
1階面積:71.66m²(21.72坪)
2階面積:45.54m²(13.74坪)
掲載誌 :
『新しい住まいの設計2005.10号』
『住みCoCo2005.11』
①中庭
寒冷地で避けられがちな中庭を設け、プライバシーを守りました。
また、中庭に向かって全ての部屋を開放的に計画しました。
②敷地のレベル差を利用
敷地に80cmほどの高低差がありました。その高低差を使ってリビングを高いレベルに合わせ、手前の玄関とダイニングキッチンを低いレベルに合わせ、来客時のプライバシーを確保しました。
③明るい浴室、大きな窓
中庭に向かって浴室に大きなサッシを使い、寒冷地でありがちな閉鎖的な住宅を回避しています。
寒冷地でもプライバシーが守られた明るく開放的なリビングを実現するために、中庭を計画してそこに面するリビング、ダイニング・キッチン、浴室の窓を大きくして、逆に個室の窓はできるだけ小さくして、家全体として開口部の面積が同じになる様に比率を変えました。
遠方でも関係ありません。
多くの経験とコミュニケーションで、距離を縮めます。
相田宗徳(元スタッフ)
かい構造設計 寺門規男