高級外車の代理店として有名なコーンズ社の東京本社7階にあるパティオの外壁改修である。高級ブランドを扱うコーンズ社にふさわしい付加価値の高い2種類のタイルを使用している。
青紫のモザイクタイルはカルロ・スカルパがベネチアングラスを使って開発した系譜を受け継ぐタイルで20ミリ角の紫のガラスに黄金が金ラメのように練り込まれている。金ラメとガラスの反射が光のあたりかたによってベニスの海のように煌めくタイルである。
白いタイルは壁を白くみせるために追求されたようなタイルで、白磁の土を使用し生地から純白にすることで真っ白となる。(施釉による白タイルは生地が白くないことによって真っ白にはならないのでである。)さらに寸法は47.5ミリ角で2.5ミリ目地のため通常の5ミリ目地のタイルの半分の寸法となっているため、壁面がより真っ白な印象をとなる。タイル壁面は目地を含めて面の色として見える。目地を白に近づけることは出来るが真っ白には出来ないし、経年変化で白い目地も汚れて次第にグレー色になる。従って目地巾が小さいことは面としてより白くみえるし時間が経っても白さを維持できるのである。焼き物であるタイルは伸縮誤差あり通常は公称45㎜として目地で寸法誤差を吸収している。47.5㎜のタイルはその伸縮精度をあげることによってはじめて可能となる寸法で高い製造技術を要するタイルでもある。
青紫を強調する真っ白な壁面との対比のために選び抜かれた二つのタイルなのである。
その他、囲まれたパティオの風通しを改善するためにビニルハウスなどで使われるファンの設置をしている。
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