古いマンションの改装計画で、男性1人、犬3匹の4人(?)家族の家です。
計画の「地」となるマンションはRC造の壁式構造で、部屋の隅に柱の出張りがない分、家の中に壊すことのできない壁が2枚ありました。2枚の壁に挟まれたスペースは水廻りで、それぞれの壁には家の中を往き来できるよう1カ所ずつ大きさの異なる最低限の開口部があるのみです。この水廻りスペースの東西に、窓のある居室があることがこのマンションの間取りの大きな特徴(一般的な話でもありますが…)でしたので、これを単純に表現しようと試みました。
まず水回りスペースは一つのボリュームとして表現するためにOSB板で包み込み、家の東西を繋ぐ動線を通しました。この動線はコンクリート壁の2つの穴をそれぞれの間口の違いをを利用し、開口部高さに合わせた低い天井を作ることで、東側の広間へ広がっていくトンネルのような空間になっています。このトンネルをくぐり抜けると、児童公園に面する東側の和室とリビングを繋げた大きな空間へと導かれます。またこのトンネルで東西に長いこの住宅を見通すことができ、集合住宅の1室にあっても家の中に落ち着きと開放感のある「距離感」を創り出しています。
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