他で受け入れてもらえない、重度な介護者さんも受け入れる看護施設をつくりたいという、ケアに対する情熱の大きな施主でした。
木の建物で光が綺麗に入る建物を創りたい。
小木野さんに設計を頼む理由は、木の扱いが上手く、光を取り込んだ建物の設計が上手いから、という事でした。
施設に地域コミュニティースペースを設け、地域の方に関わって貰いたいが、重度な患者さんを受け入れる為、だれかれ構わず接触できる状態にはしたくない。
また、敷地探しの段階から、一緒に考えて欲しいとのことでした。
提案・設計内容
木の空間に美しい光を入れる為、1階の中央の居間+食堂ホールを吹抜けとし、2階に大きな窓を設け、2階から1階に光を降りそそぐ、設計をしています。
大きな窓は北側に設置し、南側の窓は、地域コミュニティスペースを介して日差しが弱くなってから1階ホール入る、反射光を主な彩光にする事で、まぶしい直射日光の無い綺麗な光が建物全体に満ちています。
1階中央の居間+食堂ホールとその吹抜けを中心に、その周りに部屋を設けることで、求心性のある間取りになっています。介護度の高い患者さんを受け入れる為、心の拠り処となる場が必要と考え、求心力のある中心のホールを設けました。
看護師さんがどこにいても、施設全体がなんとなく目に入り、感じられる建物になっています。
敷地の選定から、施主と一緒に検討しました。
この敷地は三角形で一見使いづらく、高低差もある敷地ですが、その条件を逆に上手く使う事で、施設の環境がかえって良くなるのではと考え、敷地を決めています。
南側は県指定重要文化財にもなっている神社ですが、4mほど高い位置に敷地があります。
地域の拠点となる神社の敷地高さと、「かんたき」の2階の床高さを同じ高さにし、地域コミュニティースペースを神社側に配置し大きな窓で神社から眺められる様にする事で、地域と内部で行われている事が視覚的な繋がりを持ちながら、セキュリティや防疫上の離隔がとれた状態になっています。
1階に患者さんが生活し、寝泊りするスペースを設け、2階に地域の方がいるスペース、1階2階を看護師さんが繋ぎながら、ケアをする、接触と離隔を併せ持った空間構成になっています。
光が美しく降りそそぐ、冬でもあかるい建物になりました。
1階は木の壁、2階は白い壁にする事で、2階の窓から光が白い壁に反射しながら、1階に降りてくる為、柔らかい光が「かんたき」中心に降りそそいでいる美しい建物です。
施主からは、こんなに綺麗で、素敵な建物になると思わなかったと話していただいています。
とても看護施設とは思えない空間ですが、使い勝手の良い施設を設計してくれたと、喜んで戴いています。
資料請求にあたっての注意事項