鹿児島大学にほど近い場所にある居酒屋の改装計画。提供するメニューの改定に伴い目新しい変化が求められる一方で、元からある敷居の低さや温かさを残したいというクライアントからの要望があった。そこで今回の計画では、新しさの中にも「これまで親しまれてきた面影」がどことなく感じられる空間にしたいと考えた。
ファサードは、既存外壁の前に新しい外壁材をレイヤー状に配置しながら意図的に隙間を設けることで、換気扇や窓といった設備をそのまま利用している。他にもドアやターポリンを新調したり、提灯をシンボルに取り入れたりと部分的に手を加えているが、解体工事はほとんど行うことなく設えを新たにした。
店内は、床面に手を加えたことから空間としての印象は変化しているが、造作棚やカウンター等の改装前の様子が分かる既存部分はそのままの形で残している。それとは対照的に、什器や備品には様々な仕様のものを積極的に取り入れることで、新旧の要素が混ざり合った豊かな内部空間となるように意識している。
クライアント:SA・MURAI(エスエー・ムライ)
計画地:鹿児島県鹿児島市
用途:居酒屋 / 改装
面積:工事対象 50.26㎡ / 店舗全体 76.00㎡
竣工:2021.8
設計・監理:zeal architects
施工:ぐっどりふぉーむ
グラフィック:彩翠書研
撮影:zeal architects
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