








「暮らし」と「商い」が両立する空間の再解釈|
昔の日本の家は、玄関先で商いをし、奥には座敷があって、子育てや生活と仕事が自然に重なっていまし
た。しかし現代では“食住分離”が進み、暮らしと働く場が切り離されてしまっています。そこで、昔なが
らの小商いができる住まい方を再現できないかと考えました。打ち土間を設けてお客さんを招き入れる仕
組みは、そのための工夫です。
また、一般的な賃貸住宅では1 階の入居が最後まで決まらず、家賃も下げざるを得ないケースが多いのに
対し、商住宅では1 階をもっとも高い家賃に設定しながら、最初に入居者が決まったのです。お客様との
接点を持ちやすい1 階は、商いをする人にとっては利便性が高い一方で、通常の住居利用者には敬遠され
やすい。その価値観の逆転こそが、大きな特徴といえます。
商住宅は、賃貸住宅の1階部分を「店舗併用住戸」として設計する新しい試みです。単なる店舗付き住宅
ではなく、住む人が暮らしと商いを一体化できることを前提に構想されています。その特徴は、かつて当
たり前にあった「玄関先で商い、奥で家族が暮らす」ような小商いの住まい方を現代に再現した点にあり
ます。
昭和初期までの日本では、生活と商いはひとつの空間に重なって存在していました。商住宅は、かつて当
たり前だった「暮らしと商いの一体化」を現代に取り戻し、その知恵を現代都市に置き換え、週末だけカ
フェを開く、趣味の延長で物販を行うといった、住みながら小商いを営むライフスタイルを可能にする建
築的提案です。
空間設計の要となるのは「土間」です。土間を住居と店舗の中間領域とすることで、日常生活と商いが自
然に切り替わる柔軟な空間を生み出しています。さらに、外部に対してはガラス面を広くとることで、住
宅でありながらまちに開く姿勢を示し、街並みに賑わいを取り戻しています。
また、居住スペースについては、水回りには浴槽は設けずシャワー室のみとし、洗面はキッチンと兼ねる
形にしています。現代のライフスタイルに則したコンパクトな仕様とし、家具のように隠せる仕組みを採
用しました。限られた面積を効率的に活かしながら、都市生活者に適したサイズ感を追求しています。
1 階を長屋、2・3 階を共同住宅として構成し、内部は、大きな間仕切りで土間空間とリビング空間に分か
れています。共用部にはトイレを設け、店舗利用時に対応できるようにしました。中心の間仕切りは鍵付
きにしていて、空いた時間に他の方に貸し出すことも可能として様々な可能性を選択できるようになって
います。外観は打放しコンクリートに200 角のリブを施すことで、装飾にとどまらず構造や庇、手すり、
排水溝の機能を持たせています。内部はコンクリートの質感を活かし、抑えた落ち着いた素材の構成とし
ました。1 階店舗にはオリジナルキッチンを造作していますが店舗側と、部屋のトーン合わせ統一感を持
たせることにより商と住の境界は曖昧になるようにあえてデザインしました。サインは「住」と「商」を
組み合わせたロゴを用い、住宅と商いの融合を表現しています。
・初期費用を抑えて商売ができる集合住宅。
・集合住宅で家賃が下がる1階が店舗併用にしたことで一番家賃が高く、1番早く借り手もつきました。
・インパクトがあり他にない外観。

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