敷地は東京・新井の変型五差路に突き出すようなところです。そこに、単身者向けのいわゆる賃貸ワンルームマンションを計画することになりました。
敷地形状と法的条件から横に6スパン、縦に6層、計36マスの空間を積層して計画しています。36マスの1段目には、エントランスと駐車スペース、テナントを割当て、2段目以降にオーナー2世帯住居を含む住戸を計画しました。住戸は、様々なバリエーションを持たせるために、マスを水平方向や垂直方向に繋ぎました。
自由に組合わせた住戸群は、住人の生活を豊かにすることはもちろん、その豊かさは端的に建築のファサードに現れ、街(都市)に表情をつくります。またいくつかの住戸は、前面道路いっぱいに張出させ、色とりどりの外付けスクリーンをつけました。混在しているメゾネットタイプの住戸は、内部では2層分のダイナミックな吹抜けを内包し、同時に街にダイナミズムを与えます。
新井薬師に限らず、同じ街の同じ通り沿いには同じような規模の建築が建ちます。建築が通りに対して凸凹のファサードを持ち、街に変化を与えることで、都市に均一ではない変化に富んだ潤いを提供できればと思います。
設計担当:納谷学、磯貝慶、出原賢一
構造設計:かい構造設計 寺門規男
施工会社:大同工業株式会社
延床面積 : 774.47m²(234.27坪)
構造形式:RC扁平ラーメン構造
掲載誌 :
『THE BIG BOOK OF LOFTS』
『建築家のデザイン集合住宅』
『新建築 2003.09号』
『BRUTUS 2002.11.01/2003.09.01号』
『住宅建築 2003.08号』
『建築マップ東京2』
『TITLE 2003.07号』
『Lives 2003.06/07』
『TOKYO BROS 2002.09号』
『TOKYO 1週間 2003.02.04号』
『Casa BRUTUS 2002.07』
『AERA DESIGN ニッポンのデザイナー100人』
『COLLINS DESIGN NEW APARTMENTS』
『Lives 2006.02/03』
『リフォーム建築に役立つ 浴室洗面トイレ』
『ART BOX VOL.3 現代日本の建築』
『ディテール2009年秋季号』
①立面上の3m×3mのマスが縦や横につながって、さまざまなタイプの住戸を形成してるのが、外から見てもわかります。
②天井から床までの大きな開口によって、筒状の部屋の奥まで光を届けます。
③外部にセンサー付きの外付けロールスクリーンを設置し、西日対策をしています。
クライアントから収支計算上、有効になる様な具体的な計画が求められました。
そこで、さまざまなタイプの住戸を用意して、部屋に空きがなるべくできない様にしました。
確認申請時に区役所の基準法の解釈の見解が間違ってると考え、異議を唱え、打ち合わせの上、こちらの見解が認められた。
クライアントも同席したが、大きく信頼を得られたことを覚えています。
テトリス
ワンルームの四角い箱をいくつも組み合わせ、立ち上がった姿はゲームのテトリスでコマが重なっていく様に見えます。
磯貝慶(元スタッフ)、出原賢一(元スタッフ)
かい構造設計 寺門規男
大同工業株式会社