糸島市の別荘地に建つRC造2階建の別荘。急峻な崖の上に引っかかるように佇み、眼下には玄界灘を望む。同じ別荘地内にある別荘の離れとして、執筆活動に専念できるプライベートな隠れ家が望まれた。人為的活動の結果としてのシェルターを、周囲の大自然とどのように対峙あるいは馴染ませるかが設計のテーマとなった。壁のスリットから射し込む太陽の光やスリット越しに切り取られた空、屋根から見渡す大海原の眺め、木漏れ日に包まれて緑豊かな陽だまりのテラスなど、これまでこの土地にはなかった新しい風景とあらたな視点が建物の随所に計画されている。時々刻々と光と色が変化して多様な表情を見せる海面や、漁師たちの活気あふれる漁の様子、月光に照らされ風や霧によって様子を変える対岸の景色など、ここでしか見られない自然の大パノラマを存分に満喫できる空間となっている。
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