住宅はその地域の気候、風土に適した形がふさわしい。この家の設計では山梨甲府盆地特有の夏の暑さ対策が重要だった。大きな庇を張り出し深い軒下空間をつくることによって夏における室温度上昇を抑える工夫は、広い縁側空間を生み出し近所の人が気軽に立ち寄れる場所となっている。家主は子供のころよりここで家族と愛犬とともに暮らし、この場所で昔からあった近隣とのコミュニケーションは家が新しくなってもそのままの形で残すことができた。冬は深夜電力で運転する蓄熱式床暖房が吹き抜けを通じて家全体をあたためている。夏は熱を遮り、冬は熱を逃がさないために高気密・高断熱のシェルターとしての性能が特に重要なポイントであると考えている。
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