仲の良いクライアントご家族の長年の夢でもあった、「ギャラリーカフェ」の計画です。
敷地は観光客の多い「ならまち通り」から北へ1本入った細い道沿いに位置しています。
「ならまち通り」に比べ極端に人通りが少ないため、通りがかりの人がこの細い道を覗いたとき、アイストップになるよう、敷地の角に植栽スペースを設け、その場所にサインを設置しました。
道行く人に圧迫感を感じさせないよう、2階は1部のみとして建物全体のボリュームを抑え、気軽に通り抜けもできるように入り口前にデッキスペースを設けています。
建物の色は落ち着いたベージュ色を、内装の床材は少し使い込んだ風合いのあるものを選択し、周りの古い町並みに馴染ませるよう考慮しました。
ギャラリーとカフェは通常は間仕切りで区切られていますが、ミニコンサート開催時など、大きなスペースが必要なときには1室にもできるようにしています。
建物内部に設けた中庭はギャラリー、カフェ、トイレからそれぞれ眺めることができ、四季折々の緑を楽しむことができます。
また、ギャラリーカフェ兼用のトイレはゆったりとした広さで、車椅子使用者も利用可能な大きさとしました。
待ち合わせ場所としても、ちょっと休憩する場所としても最適な、「ならまち」の新しい観光スポットとなるに相応しい、心地よい空間のギャラリーカフェとなりました。