[距離感を楽しむ小屋]
5棟から構成される保養所のうちの1棟。海と漁港と岩盤に囲まれた4000㎡以上の敷地の中に特徴のある場所を見いだし、それらに寄り添うように各棟を計画しているなか、このD棟で試みたのは海との多様な距離感の発見である。
そこで、低い平地部分に切り立った岩盤を眺めるように、シンプルな木造の箱を配置し、その中心に水平力を負担するRC壁をリズミカルに立てることで内部とテラスを隔てた。内部では異なる素材に包まれた小さな室が並列し、その仕切り壁に設けた開口から望む海は一歩引いた存在となり、大きなテラスから、または通路から見るそれとは距離感が微妙にズレる。
居場所によって様々な要素がレイヤー上に重なり、揺れ動き、距離感が変化する。そんな移ろいと発見に満ちた空間になることを目指した。
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