東京都中野区に建つ木造2階建ての新築住宅である。
東京の住宅は、隣家との距離が非常に近く、日照や眺望が確保しにくい場合が多いが、今回の敷地は東側に区立公園を有していた。そこには大きなケヤキの木が生えており、四季の移り変わりを感じることができる。
この住宅はこれまでマンションで暮らしていた60代夫婦のための老後の家であり、長年の夢を実現させるプロジェクトでもある。
要素の少ないミニマリズムな空間、北欧モダン的な派手な色を使わない統一感のある内装と家具、開放的で明るく、広々としたLDKが求められた。
平面計画はシンプルで2階にLDK、1階には寝室や風呂があり、住宅の中のプライベートな空間と、友人をまねくコモンな区間が明確に分けられている。
2階を無柱空間とするために、平面中央に大スパンのトラス梁を設けている。トラス部分はハイサイドライトとすることで、北側の天空光を得る計画とした。
LDKや個室の窓は主に公園のある東側に設け、敷地外の環境を可能な限り享受できる計画とし、閉鎖的な環境とならないよう、配慮した。
内装や家具はグレーやグレージュといった色を基調とし、落ち着いた色合いで統一感を作り出し、LDKには大谷石、玄関やトイレには石調のエコカラットを設けるなど、ポイントでダイナミックさを加えている。
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