イチ邸

住宅が密集する地域ではあるが、東側に果樹園が広がっていた為そちら側に窓を開こうと設計はスタートした。ところが、開発が始まり果樹園一帯に建売住宅が建ち始めた。南北にも住宅が迫っている為、一番視線の抜ける東南の角に開口部を設けることとした。この縦長の窓は、吹抜けのリビングを照らすのに十分な光を取り込むことができる。建坪10.5坪と狭小の為廊下を少なくし、2階はワンルームの空間とした。ご主人の作業スペースを兼ねた玄関土間は、標準的な玄関よりも広い為、訪れる人にゆったりとした印象を与える。仕事で使う機材を置くスペースが欲しいということで、広めのロフトを設けた。パントリーや階段室と空間が繋がっている。子供の格好の遊び場になっている。シンプルな平面にも関わらず高さ方向に変化をもたせたので、見上げる角度によって多様な顔を見せてくれる。

アトリエ・アルコ

澤崎 麻子

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