敷地は、古くからの住宅地にあり、既存の木造建て替えです。新幹線と幹線道路から近く騒音が気になること、東側の用水路が氾濫して、床上浸水がたびたび起こっていることの解決が絶対でした。南側には児童公園があり、太陽光は期待できますが、少しプライバシーの問題があります。その他のご希望は、コンクリート打放しに住んでみたい、打放しにマッチする坪庭的なものの設置、花の栽培がご趣味なのでそのスペースとして屋上利用などでした。
様々な与条件を以下のようにして対応しました。
○騒音対策として防音サッシュとガラスを用いた。 壁面とガラス面を明確にした。
○浸水対策として、1階の床の高さを地上1mに設定。 設備機器類も全て上げた。
○坪庭的なものとして、ライトコート(光庭)を中央南側 に配した。 隣接児童公園からの緩衝空間 としても機能。 暗くなりがちな階段も、脇に設けたので、明るくなった。
○コンクリート打放しは、外気温の影響を受けやすいので、 外壁に外断熱を施し、内部に打放し面 を見せるようにした。 また、ガラスは遮熱タイプのペアガラスを使用。
○1階の床高が高い分、屋上テラスを設置する余裕がなく、代わりにリビングに接して大型のルーフ テラスを設けた。
○浸水対策のために1階の床高を上げると、各階の天井高 さを確保する事が厳しくなるので、抜 本的解決策として鉄筋コンクリート構造に薄肉ラーメン構造を採用した。 その結果、高い天井を創り出す事が可能になったり、梁型や柱型の出ないすっきりした内部が創り出せた。
ルーフテラス・リビング間は全て開口部にして、内外一体の空間を造りだしました。ルーフテラス は、廻りを比較的高い壁で覆い、周囲の建物をできるだけ見えなくなるようにしたので、プライバシ ーの高い外部空間となり、正面の天王山も美しく切り取られています。
お邪魔した時、必ず見てしまう天王山。リビングから天王山を望む事も、そういえば与条件の一つ でした。
写真撮影:宮本和義
資料請求にあたっての注意事項