










岐阜県可児市に建つ、夫婦と子どものための住宅です。施主から求められたのは、「朝起きて思わず背伸びをしたくなるような、明るく気持ちのよい家」でした。そこで私たちは、南北に細長い敷地の特徴を生かし、家の中心に吹抜けのあるリビング・ダイニングを置き、その両側に個室や水回りを配置しました。家族が集まる場所と、それぞれが落ち着いて過ごせる場所が、ほどよい距離でつながる構成です。南北それぞれに設けた開口からは、時間や季節によって異なる光が差し込みます。壁には和紙を用い、光と影がやわらかく移ろう空間をつくりました。日々の暮らしのなかで、光の変化とともに家族の時間が積み重なっていく住まいです。
この事例で見ていただきたいのは、まず、家の中に差し込む光が、単に明るさを確保するためではなく、それぞれの場所に異なる居心地をつくっている点です。
次に、空間を細かく分けすぎず、家族それぞれの時間を受け止めながらも、気配がゆるやかにつながる構成としていることです。
そして、外部との関係を丁寧に整えながら、明るさとのびやかさ、落ち着きが同時に感じられる住まいとして計画しているところです
施主からは、朝起きたときに思わず背伸びをしたくなるような、明るく気持ちのよい家にしたいという要望がありました。そこで本計画では、単に大きな開口を設けるのではなく、光の入り方や空間のつながり方を丁寧に整理し、住まい全体にやわらかな明るさが広がる構成を考えました。また、家族の暮らしが細かく分断されないように、必要以上に空間を仕切らず、それぞれの居場所が自然につながるよう計画しています。光、広がり、家族の距離感を同時に整えることで、明るさだけではない心地よさを持つ住まいを目指しました。
この計画で印象に残っているのは、「明るく気持ちのよい家」という一見シンプルな言葉の中に、施主が求める暮らしの質がたくさん含まれていたことです。単に日当たりのよい家ということではなく、朝の光の感じ方や、家族それぞれが無理なく過ごせる距離感、日々の中でふと気持ちよさを感じられる空間が求められていました。対話を重ねながら、その曖昧な心地よさを少しずつ共有し、形にしていったプロセスが、この家づくりで特に印象に残っています。
家づくりを考えるとき、部屋数や広さ、設備のことから考え始めることが多いと思いますが、本当に心地よい住まいをつくるためには、どんな光の中で過ごしたいか、家族とどんな距離感で暮らしたいかを考えることも同じくらい大切です。可児の家でも、明るさだけを求めるのではなく、光によって空間の質や家族のつながり方が生まれることを大切にしました。私たちは、条件整理だけでなく、その人にとって本当に気持ちのよい暮らしの輪郭から、一緒に住まいを考えていきたいと思っています。

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