










郊外の開発のなかで取り残されたような敷地に建つ、木造平屋の住宅です。周辺には住宅地、畑、遠景の山並みが重なり合い、ひとつの強い景色ではなく、複数の風景が併存していました。そこで内部を細かく分けるのではなく、東西にのびるひと続きの空間として計画し、開口を均等に配置することで、景色を断片的に取り込みながら、家族の距離感をやわらかく受け止める住まいを目指しました。
「どこにいても南の光が入り、赤城山の景色を感じられる家にしたい」という要望に応えるため、空間を細かく区切らず、のびやかにつながる平屋として計画しました。開口の配置を工夫し、家の中のさまざまな場所から光と眺望を楽しめる住まいとしています。
この住宅で見ていただきたいのは、まず、どこにいても南の光と風景の気配を感じられることです。
次に、空間を細かく分けず、ひと続きの場の中に家族それぞれの居場所がゆるやかに成り立っている点です。
そして、田畑、住宅地、遠景の山並みが重なり合う郊外の風景を、開口や建物の細長い構成によって日常の中へ取り込んでいるところです。
この家づくりで印象に残っているのは、細かな要望をひとつずつ部屋に割り振るのではなく、「この土地でどのように暮らしたいか」を施主と一緒に考え続けたことです。
南の光をしっかり取り込みたいこと、赤城山への眺望を日々の暮らしの中に取り込みたいこと、家族が近すぎず遠すぎず過ごせること。そうした希望を整理していく中で、部屋を並べるのではなく、連続したひとつの空間の中に複数の居場所をつくる現在のかたちにたどり着きました。
打合せを重ねながら、住まいの輪郭が少しずつ共有されていったことが、この計画の大きな手応えでした。
家づくりを考え始めたときは、間取りや予算のことが先に浮かびやすいと思います。ですが実際には、どんな光を感じたいか、どんな景色と暮らしたいか、家族とどんな距離感で過ごしたいかを整理することで、住まいの方向性は大きく変わります。私たちは、そうした言葉になりきらない希望も含めて対話しながら、一緒に住まいの形をつくっていきたいと考えています。

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