那須にある地域に根ざした生花店の建て替えです。敷地は西那須野駅からほど近い商店街の一角にあります。この辺りの街区は、ちょっと大きめの道と小道が入り組み、建物は敷地に対して余裕を持って建てられていることが多く、路地のような場所が張り巡らされた地域です。ただ、商店街に建つ建物は、どれも通りに対してめいいっぱい間口をとって建ち並んでいたため、敷地内を通り抜けできるような小道は断絶された状態でした。この生花店は大通りに向かって正面性を持つものの、背後に搬入やお客さんが使える駐車場もあり、以前の建ち方だとお客さんは大きく遠回りしてお店にアプローチしなくてはなりませんでした。私たちはここにこの地域の特徴である路地性を持ち、生花が生き生きと育つような建築を作ろうと考えました。正面の道路と背後の駐車場を繋ぐように外部に小道を設け、そこに寄り添うように建築を建てます。大きく張り出した軒と小道によってできた下屋スペースは、生花にとって重要な風通しや日当たりをコントロールするのに最適な場所となります。店内も通り抜けでき、不規則に落ちた柱は陳列のきっかけを作り、生花の中を縫うように歩き回れます。2階はフラワーアレンジメント教室をするためのスペースと倉庫で、繁忙期にはストックスペースとしても使われます。店内の壁面は合板もしくは壁下地あらわしとなっており、あらかじめこちらで陳列方法を固定してしまうのではなく、季節や商品によって使う人がアレンジしやすいよう余白を残しています。路地の質を持ち込んだこのお店を起点に、動きつつあるこの商店街の再興に寄与できることを期待しています。
・地域の特徴である路地性を持ち込んだ。
・将来対応として、2階は住まいに変更することもできる。
・生花店としての機能性。
USUI工務店
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