家族の変化や豊かな自然環境と共生するメゾネット型の集合住宅を改修したプロジェクト。
建物は4階建ての3階と4階の区画で、 既存躯体には北面と南面に開口があり、4階にエントランスと LDK のワンルーム、3階には廊下と室に分かれている現代住宅の一般的な構成。 階段と廊下が空間の中心に位置したため、部屋と廊下という従来の構成を崩して、階段・廊下まわりを、ライブラリーやワークスペースとしても使えるようなスペースとすることにした。 部屋で繋がれた昔の日本家屋に見られるような田の字型の形式とすることで、ゆるやかな繋が生まれている。 子供が小さなときは自由に部屋を行き来できるように仕切らずに暮らし、必要なときには、建具でプライバシーは守りながらも光と風でゆるやかにつながるような、大らかさと未来への余白を残した計画としている。 ほどよい一続きの空間で家族同士が繋がり、陽の光や室内全体を廻りながら風は通り抜ける。 外部の風光といった自然環境や団地内の棟と棟の間に植えられた木々の緑や虫の鳴き声や鳥の囀り、南面に広がる瀬戸内海の景色を室内のどこにいても感じる。
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