認知症高齢者グループホーム(2ユニット)、木造で安価な汎用建材のみを使用したローコスト建築です。元々地域に愛された銭湯が建っていた敷地であり、古い銭湯の雰囲気を踏襲した落ち着いた黒い外壁(蔓植物が繁茂するスクリーン付)と、かつて銭湯の入り口にあった唐破風の持つ開放性を正面の小学校正門に対して大きく張り出した大屋根に置き換えることで、町の新たなシンボル性を体現しています。フルハイトの開口部は「縁側テラス」に面することで、登下校の児童や地域住民との距離感が近づき、地域社会に貢献する高齢者施設の新しい形を作り出しました。
認知症高齢者グループホームは高齢者の「住宅」であり、高齢化が進む地域における介護の拠り所でもあります。
1.地域に開かれた日々の挨拶から始まる「見守り」や「穏やかなコミュニケーション」をテーマとし、前建物である銭湯の機能の継承として成功しました。
2.バルコニーや個室前スペースを「縁側」としてフルハイトサッシとすることで、閉鎖的になりがちな施設を明るく開放的な施設にしました。
3.落ち着いた外壁と大らかな屋根の外観は地域の新しいシンボルとなっています。
クライアントはデザインの力を信じ、悪い意味で「施設的」とならない美しい高齢者施設を望んでご依頼をいただきました。地域の歴史や小学校との関係など、施設単体ではなく、地域(都市)全体を俯瞰した私たちの提案に共鳴していただき、「他に無い個性」に大変ご満足いただきました。
構造設計:有限会社 エスフォルム
機械設備設計:ジーエヌ設備計画
電気設備設計:タクトコンフォート株式会社
施工:大出産業株式会社
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