本計画は構造用ビスの製造をしているシネジック株式会社の新社屋新築計画である。木造の可能性を広げる先進的な建築の提案が求められた。シネジックでは一般的なデスクワークに加え、実験や外部の研究者との協働によりものづくりの業務も行われているため、社員同士の働き方が影響し合い、活発な対話や連帯感が生まれるような場をつくりたいと考え、18mの大スパントラスによる大屋根の一体空間に多様な場が遍在する計画を行った。
屋根架構に対して地形的で動きのある床レベルを追従させることで、手が触れる程架構に近く覆われた場や架構の空間の繋がりを感じるひらいた場など、一様になりがちな大屋根建築のなかにオフィスが機能するために必要な場所性を与えている。それらの間に動線を巻き付け、空間の緩急、視線の抜けに誘発されてくるくると移動しながら社内の情報が入り交じる社屋となることを目指した。
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