敷地を初めて見に行ったのは汗ばむ季節でした。
蝉時雨の中、揺らぐ陽炎を見ながら坂を登っていくと そこに古屋がありました。
しかし青々と茂る樹木に覆われていてその全貌を見ることはできず・・・。
そこに現れたのが、アロハシャツにサンダルの紳士とラフなロングスカート姿の淑女。その風貌は品のあるヒッピー。
そう、この敷地の購入者、つまり建主。・・・・なるほど〜。
この敷地・・・ただ事ではない!
この夫婦・・・ただ者ではない!
そしてこの組み合わせ・・・似合う!
この敷地を選んだセンス、このご夫婦の雰囲気、それだけでどのような生活を求めていてどのようなセンスの持ち主なのか、ス〜と頭の中に入ってきました。このご夫婦の魅力をそのまま建物に反映させたい。それができれば素敵な家になる。
と私の直感が言っていました。
敷地は東南斜面の中腹にあり、建物の南側が鬱蒼と木々が生い茂る急勾配な崖、北側が2m程上がった道路です。敷地の形状も整形ではなく三角のような特殊形状。境界が曖昧だったり、崖の崩れ方や土石量の計算が必要だったり、搬入経路が崩れ始めたりと難易度AAA。
プランはそんな敷地を大きくいじる事なく素直に活かすこと、生活の中心となるリビングダイニングの位置、この2つを大切にしながらイメージしたら自然と台形のプランが出てきました。
サンルーム、薪ストーブ、猫階段・・。この家は楽しむ要素が一杯です。
※「西の魔女」とはここの奥様が魔女だということではありません。
梨木果歩著の小説「西の魔女が死んだ」から拝借いたしました。
資料請求にあたっての注意事項