映像を中心とした様々な事業を展開する、大阪に本社がある会社の東京支店。場所は江東区。運河がT字に交差する場所に位置し、窓の外の運河には屋形船が係留している。工場、マンション、運河と江東区を象徴するような風景の中にある築 45年の鉄骨造の倉庫を改修した。1階は駐車スペース、倉庫スペース、エントランス、階段へのアプローチ。白いトンネル状のアプローチを空間の中に置き、そこを通ると、ウッドデッキのアプローチに出る。ガーデンライトを配し、住宅の趣を出す。ダークグレーの階段を上った2階は執務スペース、ミーティングスペース、倉庫スペース。窓がなく光が入らない受付はあえて照度を落とし、壁、天井も暗い色とすることで、その先の執務スペースをより開放的に明るく感じさせる。執務スペースは、映像を扱う会社ということで、床のフロアカーペットは5色をランダムに配置した。その一方で公園側に窓を持つミーティングスペースは、気分転換を図り、公園の風景を取り入れるためにモノクロのストライプのカーペットとした。壁は全て白くしたが、2.4mより高い部分の天井は黒とした。これは天井から吊り下げた電球型蛍光灯の光りのみを空間内に存在させようと意図したものである。その照明の点がミーティングスペースのガラスに写り込み、無限に広がっているような錯覚に陥る。三角形をした3階はプレゼンテーションルームとした。3面に窓があり、気持ちいい光が一日中入ってくるため、その気持ちよさを増すために、床、壁、天井すべてを白くし、チャコールグレーの部屋と相似形をした大きなテーブルをまん中に配置した。
江東区にはこのような物件は非常に多いし、倉庫物件は家賃が相場よりも安く設定されている場合が多い。数年間のスパンで家賃の差額を考えると、内装に手をかけることも可能になる。
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