※こちらは建て直し部分です。
改装部分はこちらをご覧ください。
http://www.houseco.jp/work/detail/12023/138131
この建物は、昔からの町屋で間口7.6m×奥行き約60mの南北に長い敷地で、隣りの家の外壁とは隙間が無く建ち並んでいる。そして、大きく四つの建物で形成されていている。
今回は、中央の二つの建物が古くなったことと、それに合わせて若いご夫婦がお母さんと同居をするための住居を建てたいとの依頼であった。
南側建物(車庫)の先には、この地域では有名な桜並木の土手が存在するが、既存建物が壁となっている。
今回、この中央の二つのうち車庫側(南側)の既存建物を解体し、新たに建て直す(減築)ことで南からの光を裏庭により取り入れ、活動的な庭を目指した。更に、そこから車庫を通して南側の桜の土手へと繋がるように・・・
この建物は、「抜ける」、「くぐる」、「上がる」、「下がる」をキーワードに、既存路地の平面的な動線から、平面+斜めの動線(上下)
にすることで移動に柔軟性を持たせるように考えた。
そして、移動と住居が合体することで、上下移動が可能となり、より移動を意識するように。
移動することで空間を繋ぎ、移動することでボリュームをいじることなく、空間の認識に変化を起こす。(内部も外部も)
更に、南側へと視線を向ければ裏庭越しに桜並木の土手へと視線が繋がる・・・
長屋づくりだからこそ、考えなければならない、路地・庭(それぞれの)を現代の家づくりにどのように活かすか?
そして、既存の建物が持つ意味をどう解釈し、新たな空間として生まれ変わらせるのか?
魅力的で安心・安全な暮らしを実現する為には、単に新しい間取りにし綺麗にするのではなく、そこにもともと存在している要素を、新たな解釈で再利用し生まれ変わらせるということ。そして意識的に身近に感じられるということ。
住む人にとって馴染み深い要素は、安心をもたらし愛着を生む。そしてより建物が魅力的になっていく・・・そのようなことを活かす建物を目指した。
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