“トレーラーハウス”という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
さまざまな場所を移動し、好きな場所で好きな季節に暮らすことができるあこがれの生活。そんな暮らしが実現できるのがトレーラーハウスです。移動が可能なことから「固定資産税がかからない」と思っている人もいるのではないでしょうか。
今回は、そんなトレーラーハウスにはどのようなメリット・デメリットがあるのか、また税制上ではどのように扱われているか、解説します。
そもそもトレーラーハウスとは?
トレーラーハウスとよく似ているのが“キャンピングカー”です。違いがよくわからないという方もいるのではないでしょうか。
キャンピングカーは、キャンプができる設備をそろえた大型車両のことです。想定としては短期間の宿泊のみの利用となるため、ベッドやミニキッチンなどを備えていますが、給排水設備などは常設していません。そのため、タンクで水を汲んできたり、トイレなどの下水処理をする必要があります。
一方で、トレーラーハウスは中に入れば普通の住宅さながらです。タイヤのついた“シャーシ”というフレームのようなものに家が乗っているイメージですね。
扱いとしては住宅ではなく車両ですが、その設備や内装は住宅そのもの。電気や水道の引き込み、プロパンガスなどの整備をすれば普段の生活には全く支障がありません。どこへでも移動でき、快適な生活ができるなんて夢のようですよね。
ただし、移動できることが大前提ですので移動させるときに支障があるもの、例えばベランダや階段などが付属していると建築物の扱いを受けてしまいます。その他配管設備も、「いつでも移動できる状態」にしておくのがマストです。
SuMiKaを通じて成約された方にはAmazonギフト券2万円をプレゼント!
トレーラーハウスは税制上どのような扱い?
家のように生活できる車である、ということは説明しました。それでは一体、トレーラーハウスは税制上どのような扱いを受けることとなるのでしょうか。
住宅を建てたり購入したりすると、その家に固定資産税や不動産取得税がかかりますよね。しかし、トレーラーハウスはあくまで車両であるため、固定資産税はかかりません。
また、大きさによっては自動車税もかかりません。ただし、車幅2500mm未満、車高3800mm未満、車長12000mm未満のトレーラーハウスになると自走が可能になりますので車検が必要になってきます。車検が必要になると、自動車税や重量税の支払いが必要になってきますので、取得する際には注意が必要です。自治体によっては、車検ありのトレーラーハウスしか設置を認めない地域もあるため、確認しましょう。
住宅を建てたり購入したりすると、その家に固定資産税や不動産取得税がかかりますよね。しかしトレーラーハウスは、車両という扱いであることから固定資産税はかかりません。加えて、トレーラーハウス自体は自力で移動することができず牽引をする必要があるため、自動車税もかかりません。
ただし、設置場所には要注意。通常住宅が建てられない「市街化調整区域」や農地にも設置が可能ですが、かなり重量もあるため、どこでも置いていいというわけではありません。
通常住宅を建てる場合は、その敷地の地盤調査をし、地盤が柔らかければ地盤改良をして住宅を建てます。同じように、住宅ほどの重さがあるトレーラーハウスを設置する場合は地盤の調査を行い、地盤改良などが必要なケースもあります。
トレーラーハウスのメリットとデメリット
さて、これまで紹介してきたトレーラーハウスですが、一体どのようなメリットとデメリットがあるでしょうか。
メリットとしては、先ほども話題に出た税金面でのメリットがあります。単純に税金がかからないというのは嬉しいですよね。土地も購入しなくて良いので、設置する場所さえあれば税金面ではかなりのメリットです。
また、簡単に移動が可能ということは、手放す際に手間がないということでもあります。トレーラーハウスは比較的売却しやすく、移動すればすぐ更地に戻るので、解体などの手間がかかりません。もちろん、土地や住宅はエリアによってかなり金額の差が出ますが、トレーラーハウスには立地による差は出ませんので売却も気軽に行うことができます。
反対にデメリットを挙げていきましょう。
これは通常の住宅にもいえますが、定期的なメンテナンスが必要なこと。雨に塗れてサビが広がることもありますので、しっかりチェックが必要です。外観や内装設備などは最低でも1年に1回確認しましょう。また、家の部分を牽引する土台部分。タイヤやシャーシが劣化していると、いざというときに移動ができませんので必ずメンテナンスを行う必要があります。
また、「移動ができる」というのがトレーラーハウスのメリットでもありますが、大型のトレーラーハウスの輸送費は高額になります。もの自体が大型のため、運ぶ際も専門の業者に依頼することになります。さらに輸送は深夜しか行われないため、申請書を用意したり、設置の際に重機を使用したりすることもありますので、輸送費が100万以上かかることもあります。本体の金額以外にも考えておかないといけない費用です。
そして、住宅として住むとなるとやはり個人の部屋が欲しくなりますが、トレーラーハウスの性質上2階を作ることができません。どうしても平屋の構造となりますので、家族が多かったり部屋が多く欲しかったりする場合にはデメリットとなりえます。
メリット・デメリットをよく考えて購入を
好きな場所に移動して、税金も気にせず住めるトレーラーハウス。夢のような住まいですが、設置場所、運搬費など事前に考慮しておかねばならないこともたくさんあります。
快適な生活をするためにも、メリットとデメリットをよく検討したうえで購入してくださいね。
文:三浦明
SuMiKaは家を建てたい人と建築家・工務店を結ぶマッチングサイトです。本サイトでは建築家に家づくりの相談ができます(無料)。