客席から海が見える事、内部に大きな木を植える事が要望の計画で、
カフェという用途を超えて、まちの人々が集まる場所をつくる為に、
何を受け入れても変わることのない強度を持つ建築を考えた。
自然の中で食事を楽しめるようにガラスで開放感を持たせ、植栽で内外が連続する空間を実現し、小さなスケールが落ち着いた居場所をつくりだしていて、眼前に広がる海の景色を眺めながらコーヒーや即時を楽しむことができる、この場所ならではのカフェになっている。
4枚のスラブは周辺環境や客席の作り方、樹木の高さとの関係で導かれた高さとしている。堤防の向こうの海を臨むため、人の屋根、樹木の屋根など、複数のスラブを重ねて沢山のスケールの居場所をつくっている。
少ないマテリアルとシンプルなスケールの操作だけで豊かな空間をつくりだすことを目指した。カフェでありながら、美術館や美容室、住宅にも転用できるような構成で、使い手の生活の可能性を押し広げ、何を受け入れても変わることのない空間の強度を持ち、設備や構造からも解放された、強度と自由という可能性を形にした建築である。
1、少ない素材、要素でローコストに。
2、構造と設備を分離させてメンテナンスが容易に。
3、お店としても住宅としても使えます。
海が見えることを室内に樹木を植えること。
構造家や植栽のプロと共同し、要望とデザインを共存させました。
クライアントは皆当然素人です。
要望や言葉の裏に隠れた思いをくみ取り形にします。
クライアントの要望をそのまま聞き入れることはせず、おかしなことはおかしいと助言し、本当に求めているものは何か、じっくりと耳を傾け、プロジェクトを進めました。最後にはクライアントはもちろん、施工者や関係業者さんたちと一つのチームになって竣工させました。予算も工期も厳しいですが、最後はみんなで喜びを分かち合いました。
事例は住宅ではないですが、どんな建築も住宅でありお店であり、美術館です。使う方に合う、さらに豊かな生活を与えてくれる、そんな建築を目指しています。どんなクライアントでも、費用がどんなに少なくても、その条件にあうデザインがあります。そのデザインを形にするお手伝いをしています。