夫婦、幼い子供2人、犬、猫が暮らす住宅です。
敷地は北側に傾斜した段丘状の宅地造成地の一画で、
緑豊かな環境の中にあります。
既存敷地の高低差は駐車場の天井高を確保するには不十分であったため、
敷地北側の地盤面を上げ、
緩やかな傾斜で南側の既存地盤面へとつなぐ
小さな丘のような空間を計画しました。
日常生活の中で庭で遊ぶことも想定されたため、
内部から自然なかたちで庭へアプローチできるように
LDKには小上がり程度の段差を連続させ、
庭から玄関までは緩やかな芝生の傾斜でつなぎました。
間取りは伝統的な四畳半を用いて、
様々な機能に対応できる間取りとしました。
均質な四畳半のみでできた間取りですが、
広々としたキッチン、コンパクトなダイニング・寝室など、
機能を与えられることで、多様性のある間取りとなります。
また、様々な天井高さを計画することで、
開放感と落ち着きのある空間を作り、
LDKからも屋上へと繋がる吹抜けを計画することで、
庭から屋上まで一体的につながり、
豊かな周辺環境と共に暮らす住宅となっています。
撮影 山内紀人
この家には下記の3つの特徴があります。
①外壁の檜板張り
上部は下見板張りとなっており、下部は縦羽目板張りとしています。
上部の下見板張りは下部の外壁に直接雨水が落ちることのないように、水切りとしても機能させることで外壁が長持ちするように考えています。
檜には木材保護塗料を塗っていますが、檜の風合いを生かした自然な色味となるように調色した塗装としています。
経年変化によって、周辺の環境と馴染んでいく、まちの風景の一部となるような外観をとしています。
②サンルーム
ここは現在は子供の遊び場として使われていますが、ライフスタイルの変化に伴って使い方を自由に選択することができるLDKからはみ出た余白の空間です。
お施主さんは犬と暮らしていらっしゃいますので、時には隠し引戸で仕切り、外の東屋のように使い、庭で犬と遊ぶこともできますし、内外問わず様々な使い方ができるスペースです。
③自然と一体化した住まい
2階の天井は梁と屋根の下地である野地板を現しとすることで開放的な空間としています。7.5寸勾配の屋根は屋上へと繋がるハイサイドライトと繋がり、光と風が抜ける空間となっています。扉を開け放つと、全ての空間が繋がり、巨大なワンルームの丘のような空間が現れます。そこに重力換気を利用した空気の流れを作ることで自然と一体化した住まいを実現しています。
LDKの天井はルーバー状の簀子天井となっており、そこに柔らかな光を落とすことでまるで外のパーゴラの下のような空間を演出しています。
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