計画道路によって、長方形の敷地の一部が切り取られ、変形した台形の敷地が残りました。
敷地を4つに分け、木造2階建てのアパート4棟が住民共用の中庭をつくるように配置しました。
隣地のお寺の大きな緑を教授し、延長し、敷地を公園に見立て、アパートが公園の中に建っているような風景を目指しました。
それぞれの住戸は、ダイニングを土間に設け中庭に開けるようにしています。
住人同士が、土間を積極的に開き、公園の中のコミュニケーションが生まれることを期待してます。
プロデュース:三菱地所ホーム
設計担当:納谷学、松下有為
ランドスケープデザイン:納谷学、松下有為
構造設計:三菱地所ホーム
施工会社:三菱地所ホーム
所在地 :神奈川県川崎市中原区
敷地面積:1153.86m² (349.04坪)
延床面積:1099.22m² (332.51坪)
構造形式:木造2階建て
住戸数 :32戸
入居問合せ:リネア建築企画
受賞歴:神奈川建築コンクールアピール賞(環境)
掲載誌 :『新建築 2013年8月号』
①土間
大きな土間で外と繋がります。
②緑
共用の外部は、隣のお寺の緑と呼応し、公園の中に住んでいる様に感じます。
③プライバシー
4棟のアパートメントの部屋は向かい合っていても、直接窓が向かい合わないようにして、プライバシーを守っています。
駅から遠い変形敷地という立地条件でしたが、敷地を4分割して4棟のアパートを配置計画することで、近隣のマンションとの差別化を図り、豊かな環境を住民に提供しました。
通常、木造のアパートでは、1階より2階が人気があります。
ところが、この計画では1階の部屋の外に土間と繋がる豊かな外部空間を提案したので、1階の部屋の方が早く決まりました。
周りと同じことをしても、賃貸では築年数とともにいずれ価格の競争になります。
そこにしかない、そこでしか実現できない提案があれば、周りの計画に影響を受けない安定した事業計画となります。
突然変異
突然変異が生物を進化させると言われます。
周囲と同じことをしても、同じ渦の中に巻き込まれます。
誰でも簡単に真似できないオリジナリティは大切です。
松下有為(元スタッフ)
三菱地所ホーム
リネア建築企画