北側の斜面に計画した地下1階地上3階の住宅です。
鉄筋コンクリートの建物全体で、擁壁を兼ねて崖地を受けとめ、その上に鉄骨のフレームを組みました。
南からの光は、隣地の屋根越しにハイサイドライトから取り入れ、ボイドを通してLDKに導きました。
連続する水平窓からは、対岸や眼科の街並みが遠景で見えます。
設計担当:納谷学、太田諭
構造設計:多田修二構造設計事務所 多田修二
施工会社:河津建設 佐藤
構 造:RC造+鉄骨造
階 数:地下1階、地上3階
敷地面積:188.70㎡(56.97坪)
延床面積:129.99㎡(39.32坪)
1階床面積:40.24㎡(12.17坪)
2階床面積:49.75㎡(15.05坪)
3階床面積:18.00㎡(5.45坪)
①北側斜面を有効利用
斜面の土圧を建物で受け止め、擁壁工事を少なくしてコスト削減をしています。
②立体ワンルーム
2階のLDKの大きな吹き抜け空間の中に子供部屋2室を天井からコウモリのようにぶら下げて造っているので、LDKは柱のないオープンな空間になっています。
③斜面を使って計画しているので、地下の個室も開放的で明るい部屋になっています。
北側斜面の土地なので、広さの割に安く売れ残っていました。建物を工夫することで、悪条件を覆すような豊かな空間を手に入れることができます。
クライアントが訪ねてきた時、候補の土地がいくつかありましたが、計画した北側斜面のこの土地を薦めました。建物を計画して、出来た時には、北側斜面だったことはすっかり忘れて笑顔しかありませんでした。
不動産的に価値がない(人気がない)土地でも、建築で工夫すればその欠点を補い、豊かな空間を得ることができます。
そのためには、建築で工夫ができるだけの経済的な余力が必要です。
土地にお金をかけるよりも、その余力をもって家を計画することをお勧めします。
大谷翔平
人がやらないことにチャレンジして、結果を出しました。
太田諭(スタッフ)
多田修二構造設計事務所 多田修二
河津建設 佐藤