高低差が3Mほどの擁壁の上に住宅を計画しました。
敷地形状は変形した台形。
必要な矩形の部屋を台形の中に内包させ、その余白に上下の階をつなぐ吹抜けや階段を設けました。
変形敷地と必要な機能をもつ住空間の間に生まれる余白が住宅内に光と風を導き、豊かさをもたらします。
設計担当:納谷学、島田明生子
構造設計:長坂設計校舎 長坂健太郎
施工会社:剛保建設
構造形式:地下1階RC、地上2階木造在来工法
敷地面積:87.64㎡(26.51坪)
延床面積:91.32㎡(27.62坪)
1階床面積:43.33㎡(13.10坪)
2階床面積:36.07㎡(10.91坪)
ロフト階床面積:17.31㎡(5.23坪)
掲載誌:『住宅特集 2013年4月号』
①余白
変形敷地と必要な部屋との隙間をインテリアに取り込み、余白を吹抜けや土間空間などの豊かさとして計画しました。
②内部の離れ
1階の和室は玄関の横にありますが、土足でつながる住戸内の離れになっています。
③屋根と繋がる吹抜け
屋根の形状そのままに大きな気積をリビングの吹抜けにして、ロフトと繋がる豊かな空間を提案しました。
敷地が前面道路から3mほどの高低差があったので、敷地の一部を堀り駐車スペースにしています。土の掘削量を最小限にしてコストを抑え、変形地を逆手に取り住居スペースに豊かさを提案しました。
敷地の高低差が大きかったので、クライアントは当初不安だったと思います。
竣工した時には、すっかりそのことを忘れて大笑いしました。
全ての土地が、東南の角地ではありません。
変形地や傾斜地、建築を工夫すれば、そんな不動産的に評価が高いという一般的な土地にお金をかけるよりも、豊かな生活を手に入れることができます。
土地よりも建築にお金をかけましょう。
流通にのらない食材
一般的には人気のない食材(土地)でも、料理の仕方(設計)次第では、美味しいお皿に仕上がります。
島田明生子(元スタッフ)
長坂設計校舎 長坂健太郎
剛保建設
Yクラフト 吉田晴彦