1.建物の特徴
この計画は、敷地内に隣接する既存会堂改修と新しい会堂のコラボレーションによる増改築工事です。
今回、厳しい工事予算の中、3社に分離発注することで予算内に工事を行うことが出来ました。
そして、計画のポイントは建物のバリアフリー化とし、新旧両会堂を段差なく繋ぐことで、2つの会が一体となり、小さなお子さまや高齢者、身障者にもアプローチし易い使い勝手のよい会堂建築となりました。
新しい会堂は、大断面の無垢材と漆喰壁を使った明るく人の入り易い大きな礼拝空間の場となりました。
また、既存会堂部分は、生かせる部分は出来るだけ生かし、改修範囲を優先的に絞ることで身障者WCや厨房といった水廻りが充実して、新たな集会の場:多目的ホールとして改修されました。
その結果、2つの会堂が、まるで奥行きのある1つの新たな会堂建築として生まれ変わることになりました。
具体的には、新会堂のシングル葺きの屋根に十字架が載り、既存会堂と新旧同系色で統一されたラスモルタル塗りの白と茶色の窓枠のある外壁、木質系の樹脂サッシュ、新会堂内部は、床暖房の木製床、漆喰壁、木造トラスが、大きな杉板の露出天井である礼拝空間を支えている。
また、講壇には、十字架、青いステンドグラス、バプテストリーがあり、ステンドグラス上部にはスクリーンとプロジェクターが装備され、説教の様々な状況にも対応できるように計画されている。
次に、2階部分は一部ロフトとなっており、1階会衆席と一体になった垂直空間への拡がりもある。
色調については、祈りの場であるため、ベージュ・木の色=自然素材のもつ美しさを尊重し、着色は極力押さえており、ステンドグラスから射す光や素材の持つ本来の色の移り変わりを時間と共に期待している。
2.設計のコンセプト
設計のポイントは、祈りの場としての白の空間=シンプルで品のある清楚な空間としました。
具体的には、ステンドグラス、縦長の窓、白い漆喰壁と無垢の木の素地、トラス組み天井の高い清楚な空間。
車椅子身障者が出入りしやすい緩いスロープのあるバリアフリー空間としての正面玄関、南北に開かれた見通しのよい受付廻りと、新旧会堂の軸線が一致した奥行きのある一体空間となるよう計画しました。
3.環境への配慮
使用材料については、木材などの自然素材とし、シックハウス等安全・安心面に配慮した。
また、屋根や外壁には断熱材を施し、開口部にはペアグラスを採用して熱の損失を抑え、建物全体の環境負荷軽減に対応し、冷暖房空調等へのランニングコストにも配慮している。
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