東京下町に建つ鉄骨長屋の最上階を絵本作家のアトリエとしてリノベーションしました。
クライアントにとってバスタイムは制作の一部であり、最も大切な時間であったことから、バスタブをフロアの中央に配置し、洋室、和室の2つの部屋に分かれていたフロアをバスタブのあるトンネルによって繋げました。2つの部屋はもとの空間の記憶を残しながら抽象化され、間に生まれた小さな異世界は通り抜ける作家の感覚を刺激します。
絵を描くことを生業とする私にとって、バスタイムはとても大切にしている時間です。
作品の構想を練ったり、本を読んだり、気持ちを切り替えたり、絵具を落としたりと、一日に何度もお風呂に入ります。そんな生活スタイルなので、リノベーションをするにあたり、アトリエの中央に美しい猫足バスタブを置きたいという夢を建築家にオーダーしました。
バスルームは窓からスカイツリーが見える位置にしていただきました。ガラスのバスルームが手前の部屋と奥の作業部屋とゆるく繋いでくれ、カーテンをあけて入浴するととても開放感があります。
小さなトンネルは愛猫キリのお気に入りの場所です。
成田工務店