元浅草の住居

築約25年になるマンションの1室の内装改修設計のプロジェクトです。専有面積約50㎡の中にリビング、キッチン、2つの部屋とユーティリティで構成されています。
古い躯体を新しい材料で覆い隠してしまうのではなく、この建物がこれまで過ごしてきた時間に寄り添ってこれからの時間を経ていくことができるようなデザインを心がけました。
壁や天井は必要な断熱だけ行い、可能な限りコンクリートの躯体を顕しにし、リビングと寝室を隔てる間仕切りにはナラの古材を使用した目透かし壁を採用しています。
もう一つの部屋は大きな1枚の布で仕切り、部屋を開放する際には天井に吊り上げて天幕として窓際の縁側のような場所を作りました。

部屋同士の構成は、小さな面積で部屋を細かく間仕切ってしまうのではなく、目透かし壁と布によって、部屋を分けながらも空間的にはつながっているような関係をつくりだしました。
目透かし壁を通して隣室から届く光と直接窓から入ってくる光、そして照明の光といったいくつもの光が重奏する居心地のよい居住空間となることを目指しました。
従来の「LDK」という呼称で共有される独立した部屋の集まった住居とは異なる、部屋の用途を分けつつも光を共有することで生まれる新しい居住のあり方を考えました。

株式会社蘆田暢人建築設計事務所

蘆田 暢人

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主に建築物の設計監理や建築デザイン等を行っている建築設計事務所や建築家を示します。

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